先週の振り返りと今週の見通し
先週の米国市場は、5月の雇用統計が市場予想を大幅に上振れたことや、半導体株の急落により、S&P 500が10週ぶりに反落する大荒れの展開となりました。長期金利は再び5%台に乗せ、高PERなグロース株を中心に強い売り圧力がかかりました。
これを受けて今週は、「米インフレの沈静化傾向が確認できるか、あるいはAppleのWWDCを受けてハイテク株への押し目買いが入るか」が最大の焦点となります。
今週の重要スケジュール&経済指標
6月8日(月)〜12日(金)
- Apple WWDC 2026(世界開発者会議)(米国 / 重要度:★★★)
- 解説・注目ポイント: 日本時間9日午前2時の基調講演で発表される、iOS 20やApple Intelligenceの最新AI戦略がテック株の買い材料となるか注目されます。
6月10日(水)
- 5月消費者物価指数(CPI)(米国 / 重要度:★★★)
- 解説・注目ポイント: 先週の雇用統計上振れを受けて、インフレ鈍化トレンドが継続しているか確認します。市場が最重視するイベントです。
- カナダ中銀(BoC)政策金利発表(カナダ / 重要度:★★☆)
- 解説・注目ポイント: グローバルな金融政策の方向性を探る上で注目されます。
6月11日(木)
- 欧州中央銀行(ECB)政策金利発表(欧州 / 重要度:★★☆)
- 解説・注目ポイント: ユーロ圏のインフレ動向を受けた金利見通しと、グローバル市場への波及効果が注視されます。
- 5月生産者物価指数(PPI)(米国 / 重要度:★★☆)
- 解説・注目ポイント: 卸売物価の推移を示し、先行きのインフレ動向を補完する指標として注目されます。
6月12日(金)
- 6月ミシガン大学消費者態度指数(速報値)(米国 / 重要度:★★☆)
- 解説・注目ポイント: 消費者マインドに加え、期待インフレ率の動向がチェックされます。
今週の注目テーマ・セクター
テーマ①:AI・半導体株の調整と買い戻しの行方
- 現状と背景: 先週はBroadcomのAI売上見通しに対する失望感や、Metaの増資報道による株式希薄化懸念をきっかけに、利益確定売りが加速しました。今週はAppleのWWDCで新しいAI戦略が発表されるため、これが関連セクターの買い戻しの起爆剤となるかどうかが焦点となります。
- 注目銘柄: NVDA(エヌビディア), AVGO(ブロードコム), AAPL(アップル)
テーマ②:金利上昇とディフェンシブ・バリュー株への資金シフト
- 現状と背景: 長期金利が5%台に乗せたことで、金利上昇の恩恵を受ける損害保険セクターや、ディフェンシブな生活必需品セクターへ資金が流入しています。今週のCPIが上振れした場合、このバリューシフトがさらに強まる可能性があります。
- 注目銘柄: ALL(オールステイト), PGR(プログレッシブ), PG(プロクター&ギャンブル)
今週の相場見通し
- 強気(ブル)シナリオ:
- CPIが市場予想を下回りインフレ鈍化が再確認されること、またWWDCで好材料が出てAppleを筆頭にテック株への買い戻しが入ることで、先週の下落分を回復するシナリオです。
- 弱気(ベア)シナリオ:
- CPIが市場予想を上回り、インフレ高止まり懸念から金利がさらに上昇するシナリオです。この場合、来週のFOMCへの警戒感からハイテク株を中心にさらなる売り圧力が想定されます。
- 市場の注目論点とリスク管理:
- ボラティリティの上昇に伴い先行きが不透明な局面では、無謀な買い増しを避け、金利上昇に強い保険株やディフェンシブな生活必需品株への一時的な避難、あるいは十分なキャッシュ比率の維持といったリスクヘッジ策が着目されます。
今週は、週前半の「AppleのWWDC」と、週半ばの「5月CPI」の2大イベントが市場の方向性を決定づけることになります。
ボラティリティが高まりやすい局面であるため、過度なリスクは避け、客観的なデータを見極めることが重視されます。
免責事項:本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任で行っていただきますようお願いいたします。


