AIを活用した動画制作の効率化を目指すプロジェクト「Antigravity」において、動画の生成から編集、最終的な書き出しまでをシステム上で一貫して行う検証を実施しました。
オリジナル動画とAntigravityによる編集後の比較
今回の検証における実際の成果物です。既存の動画アセットに対して、プログラムが自動で編集と演出を適用した結果を比較できます。
1. 元の動画(編集前)
以下は、検証のベースとして使用したオリジナルの11秒間の16:9動画アセットです。
2. Antigravity作の動画(編集後)
以下は、Antigravityシステムがコードを自動生成し、エフェクトとテキストアニメーションを合成して書き出した動画です。
Antigravityに実行させた内容
今回の検証では、上記の動画アセットに対して、Antigravityシステムへプログラム経由での自動編集と演出の追加を指示しました。
具体的には、以下の処理をすべて自動で実行させています。
- 映像のシネマスコープ(2.35:1)化と、上下への高さ80pxの黒帯(レターボックス)の配置
- コントラスト、彩度、明度を調整するカラーグレーディング処理
- 映像の四隅に影を落とし、中央の被写体を引き立てる周辺減光(ビネット)エフェクトの付与
- 指定したフレーム(30フレーム目〜135フレーム目、および180フレーム目〜285フレーム目)への、動的なテキスト(テロップ)の挿入
- テキスト出現・退場時における、ベジェ曲線を用いたなめらかな不透明度と3Dスケールの移動アニメーションの適用
- テキスト表示期間中における、サイン波と乱数計算を用いた不規則なネオン明滅(グリッチパルス)エフェクトの合成
これらの処理は、人間が動画編集ソフトのタイムライン上で手動で行うのではなく、システムがコードを自動的に書き換えることで適用されています。
完全自動・動画コンパイルパイプラインとは
「完全自動・動画コンパイルパイプライン」とは、人間がテキストで指示(プロンプト)を入力するだけで、システムが裏側で動画編集用のプログラムを自動生成し、最終的な動画ファイル(MP4)を人間の手を一切介さずに書き出す一連の自動化の仕組みを指します。
今回のシステムでは、動画編集フレームワークである「Remotion」を採用しています。一般的な動画編集では、編集ソフトのGUI画面を用いて視覚的にカットやエフェクトを配置しますが、本パイプラインでは動画の構成要素やエフェクト、テキストの動的なアニメーションにいたるまで、すべてを「プログラムのコード」として定義します。
人間から指示を受け取ったシステムは、対象となる動画プロジェクトのソースコードを自動で修正・アップデートします。その後、ターミナルからレンダリングコマンドを実行することで、システムが1コマ(1フレーム)ずつ映像の加工とテキストの合成を計算し、最終的に1本の統合された動画ファイルを構築します。
この仕組みにより、映像のタイミングやテキストの内容、適用するエフェクトの数値をプログラム側で完全に制御できるようになり、動画編集ソフトを起動することなく、コードの実行だけで正確かつ再現性の高い動画編集と書き出しが可能になります。
検証の結果
今回の検証により、330フレーム(約11秒間/30fps)の動画ファイルに対して、指定した通りのカラーグレーディング、レイアウト調整、および高度なテキストアニメーションが施されたMP4動画が正常に書き出されることを確認しました。
システムが仕様通りに動作し、プログラムベースでの動画編集とファイルの生成プロセスが問題なく機能することが立証されました。


