Lightricksは2026年8月11日、動画・音声生成モデル「LTX-2.5」を公開しました。同日に公開されたComfyUI v0.32.0でネイティブ対応され、公式テンプレートからText to Video、Image to Video、First-Last Frame to Videoを実行できます。
LTX-2.3から映像と音声の同期生成を引き継ぎ、画質を高める新しいレンダリング構成、複数のカットを1回で生成するNative Multishot、Gemma 4 12Bベースのテキストエンコーダー、プロンプト拡張機能などが追加されています。

LTX-2.5の主な特徴
Diffusion Fidelity Rendering
シーンの複雑さに応じてレンダリング計算を配分し、高品質なキーフレームのグリッドを基準に各シーンを構築します。
Diffusion Video Decoder
生成したLatentを映像へ戻す復元段階には、新しいDiffusion Video Decoderを採用しています。VAEの復元段階を置き換え、顔、質感、画面内の文字、動きの表現を改善し、負荷の高い場面で発生するアーティファクトを減らします。
配布されているltx-2.5-video-vae-bf16.safetensorsは、このDiffusion Decoderを採用した高品質版のDiffVAEで、別に用意されたltx-2.5-video-vae-conv-bf16.safetensorsは、処理が軽く高速なConvolutional VAEです。ComfyUI公式テンプレートは高品質版のltx-2.5-video-vae-bf16.safetensorsを指定しています。
公式T2Vテンプレートでは、低解像度で生成したLatentを2倍に拡大し、高解像度側で追加の生成処理を行ったあと、Diffusion Video Decoderで映像へ変換します。
Native Multishot
1回の生成内で複数のショットを作成できます。カットが切り替わっても、人物、環境、照明、声、映像スタイルを維持する設計で、複数ショットを含む場面は、プロンプト内で各ショットの内容やカメラワークを順番に記述します。
映像と音声の同期生成
映像と同時に、台詞、環境音、効果音、音楽を生成します。公式テンプレートにはVideo VAEとAudio VAEが組み込まれ、生成した映像と音声を1本の動画にして保存します。
Gemma 4 12Bテキストエンコーダー
LTX-2.5専用のProjectionを備えたGemma 4 12Bを採用しています。複数の被写体、動作、照明、細部、カメラ方向を含む長いプロンプトの保持力を強化しています。
Prompt Enhancer
短い入力を、映像生成向けの詳しいプロンプトへ拡張します。ComfyUI公式テンプレートではprompt_enhanceで有効・無効を切り替え、拡張処理には別ファイルのgemma4_e2b_it_bf16.safetensorsを読み込みます。
Auto Duration
プロンプトに書かれた動作から適切な動画時間を予測します。ComfyUI v0.32.0からLTXV Duration Predictorノードが実装されています。
公式T2Vテンプレートでは、表面にあるdurationへ秒数を直接入力し、内部でduration × frame_rate + 1からフレーム数を決めています。
4K HDR・最大50fps・RAWワークフロー
ネイティブ4K HDR、最大50fps、映像制作向けのRAWワークフローに対応しています。ComfyUIの標準T2Vテンプレートは24fpsに設定され、2倍のSpatial Latent Upscalerを組み込んだ構成です。
ComfyUI v0.32.0でネイティブ対応
2026年8月11日公開のComfyUI v0.32.0で、LTX-2.5、STG、Dual CFG、Duration Predictionが追加されました。新しい主なノードは次の4つです。
| ノード | 役割 |
|---|---|
| LTXV Spatio-Temporal Guidance | 時間・空間方向のガイダンス |
| LTXV Modality Guidance | 映像と音声の結び付きを調整 |
| LTXV Dual CFG Guider | 映像と音声へ個別にCFGを設定 |
| LTXV Duration Predictor | プロンプトから動画時間を予測 |
テンプレートライブラリのVideoには、次の3種類が用意されています。
| テンプレート | 内容 |
|---|---|
| LTX-2.5 T2V | テキストから映像と音声を生成 |
| LTX-2.5 I2V | 入力画像を先頭フレームとして動画化 |
| LTX-2.5 FLF2V | 最初と最後の画像を指定して、その間を生成 |
モデルはアクセス承認後にダウンロード
モデルリポジトリはHugging Faceのgated配布です。Lightricks/LTX-2.5を開き、ログインした状態でAgree and Accessを押します。ライセンスへの同意とアクセス承認が済むまで、ComfyUIからのモデルダウンロードは失敗します。
承認後に公式テンプレートを開くと、必要なファイルをダウンロードできます。
T2V公式テンプレートで必要なモデル
| ファイル | 配置先 | ファイルサイズ |
|---|---|---|
ltx-2.5-22b-distilled-transformer-comfy-int8-convrot.safetensors | models/diffusion_models/ | 21.5GB |
gemma4-12b-with-proj-ltx-2.5-comfy-int8-convrot.safetensors | models/text_encoders/ | 15.4GB |
gemma4_e2b_it_bf16.safetensors | models/text_encoders/ | 約9.5GB |
ltx-2.5-video-vae-bf16.safetensors | models/vae/ | 約1.4GB |
ltx-2.5-audio-vae-bf16.safetensors | models/vae/ | 約0.3GB |
ltx-2.5-latent-spatial-upscaler-x2-bf16-1.0.safetensors | models/latent_upscale_models/ | 約1.0GB |
必要な6ファイルは合計約49GBです。T2VとI2VはSpatial Upscalerを含む構成で、FLF2VではSpatial Upscalerを読み込みません。
T2Vテンプレートの設定項目
公式テンプレートは、主要項目を1つのText to Video (LTX-2.5)サブグラフに集約しています。Enter subgraphを押すと、内部のConditioning、Sampler、Dual CFG、Latent Upscale、VAE Decodeを編集できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| prompt | 場面、動作、照明、カメラ、音声の指示 |
| prompt_enhance | Prompt Enhancerの有効・無効 |
| duration | 動画の長さ。単位は秒 |
| width / height | 出力解像度 |
| seed | 生成Seed |
| frame_rate | フレームレート |
| unet_name | Distilled Transformer |
| video_vae | 映像のデコードに使うVAE |
| audio_vae | 音声のデコードに使うVAE |
| clip_name | LTX-2.5用Gemma 4 12B |
| upscale_model | 2倍Spatial Latent Upscaler |
| prompt_enhance_model | Prompt Enhancer用Gemma 4 E2B |
内部のサンプリングは2段階です。低解像度側を8ステップで生成し、Latentを2倍に拡大したあと、高解像度側を3ステップで仕上げます。Samplerは両方ともeuler_ancestralです。
ライセンス
2026年8月11日以降に公開されたLTX-2.5には、LTX独自のCommunity Licenseが適用されます。
- モデルの利用、複製、改変、派生物の作成と配布が認められる
- 年間売上1,000万ドル以上の企業が商用目的で利用する場合は、有償ライセンスが必要
- 同規模の企業でも、非商用のテスト、評価、研究開発には無償利用枠がある
- 生成物についてLightricksは権利を主張しない
- 再配布や派生モデルの配布には、ライセンスの同梱、変更表示、利用制限の継承が必要
利用条件の全文はLICENSE.mdに掲載されています。
LTX-2.5で注目したい点
今回の更新では、映像と音声の同期生成を維持しながら、画質、長い指示への追従、マルチショット、生成時間の自動予測を強化しています。ComfyUI公式テンプレートも、Distilled INT8 ConvRotモデルと2段生成を組み合わせ、ローカル環境で高解像度の映像と音声を一括生成できる構成になっています。
生成してみた
VRAM16GB RAM64GB環境でテンプレートのワークフローで生成してみました。
- T2V:初回 180秒 2回目以降 63秒、49秒
- I2V:初回 180秒 2回目以降 53秒、43秒
- FLF2v:初回 193秒 2回目以降 89秒、70秒
消費メモリはVRAM15GB 共有21GBほどでした。
生成はかなり早いですが、映像・音声の完成度やプロンプト追従ではMiniMax H3に劣ります。日本語の発音も相変わらずといった感じでした。


